私のカウンター居酒屋記

居酒屋のカウンターほど、興奮する場所はない。 背中から、テーブル席の楽しげな話がちょくちょく耳に入る。こちらは一人で座っているから、よけいに耳にはいってくる。中には、そうそう、そうだよな、と相づちを打ちたくなる話題もあれば、ただ騒いで喜んでいるだけの場合もある。でも、どちらでもいいのだ。とにかく、背中越しに、活気が伝わってくる。 私は、タバコ臭い空気は苦手だ。料理の味も酒の味も落ちてしまう、と個人的には思っている。喫煙もしない。でも、カウンターの隣の席の客がタバコを吸うのは、まあよかろう、と思う。きっと、その瞬間、一日溜め込んだストレスを最大限に発散しているにちがいない。心のなかで、おつかれさま、なかなかたいへんですよね、と声にならない声を発する。それで十分だ。 隣の客が注文してる品が美味しそうに見える。しかし、同じもの、と注文するのはなんだか照れ臭い。今回は控えて次回に頼んでみようかな、などと小心者の私は思う。 ときどき、隣の客と会話が弾むときがある。お互い、最初で最後の会話とわかっている。でも、そこがいい。一期一会だ。たいした話題ではない。でも、なんだか、話し相手がいてお互いうれしいのだ。 居酒屋は、酒を飲むだけでなく、楽しむために「居」るための酒の場だ。ありがたい文化だ。

そんな私がよく行くお店、串正。
http://www.yakitori-kushimasa.com/
伊那の名物を楽しめる。カウンターで食べる焼き鳥と、日本酒の組み合わせはやめられない。

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